先日、11月22日、恩師に(母子2代でお世話になっています)お声をかけて頂いて
エリザベト音楽大学の教室で開かれた
塚田佳男先生の公開講座「日本歌曲の歌唱法と伴奏法」を受講させて頂きました
塚田佳男先生は東京芸術大学の声楽家をご卒業された後、ドイツデトモルトでピアノ・オルガン・伴奏法を学ばれて現在日本歌曲の第一人者として歌唱、伴奏、指導など多くの場でご活躍されているそうです
正直なところ、不勉強の私は今回の講座を受講させて頂くまでは先生のことを存じ上げず大変お恥ずかしい限りであります^_^;
けれど今回講座を受講させて頂いてすっかり先生の音楽の世界、そしてお人柄に魅了されてしまいました
講座は6組の若い歌手と伴奏者の公開レッスンという形で行われました
皆さん歌も伴奏も本当にお上手で、まずは受講者の演奏を聴かせて頂けた時点で音楽的な素敵な雰囲気につつまれ、かなりなお得感がありました(^.^)
それぞれ人を惹きつける個性豊かな魅力をお持ちで、つくづく歌は人だな~という思いを新たにさせられました(^.^)
そして、塚田先生
講座の冒頭の第一声、力のあるダンディーなお声で
「本日は、それぞれ30分という大変短い時間でどこまでできるかわかりませんが一生懸命させていただきます」
もうこの「一生懸命させていただきます」というひとことに早くも心を打たれてしまいました
確固たる地位をお持ちの先生の誠実な直球のひとことに尊敬と信頼の気持ちが湧いてきました
重なる不勉強で演奏される曲に対して何の準備もしていなかったこともあり、
演奏者の最初の演奏を聴いた時点では声の美しさや音楽の雰囲気にばかり意識が向いていた私ですが、
演奏のあと先生が、曲の主旨や情景、裏に隠された本当の意味などを分かりやすく端的にお話してくださると、たちどころに目の前に劇場が開かれたように明確な曲のイメージが浮かんできました
「斑猫」という虫の歌が女性のコケティッシュな面を題材にしたものであること、「さくら横丁」が過ぎ去った昔の恋に対する一歩さがったところからのクールな歌であること、等々目からうろこの連続でした
日本語のH、K、S等の子音をハッキリと発音すること、言葉の語感を大切に感じながら表現すること、詩の流れを理解し、感情の流れに沿って表現すること、等それらのアドバイスに従って受講されている歌手の演奏がたちまちドラマチックになり、明確になり、心に訴える力のある演奏に変化していく様子は素晴らしいものでした
またアドバイスの途中に先生が歌われたり、朗読されたりする歌詞は、
ほんの一節でありながらとても説得力がありドラマチックで、それだけで本当に劇場で劇を観ているようでした
音楽と言葉と演劇の深い繋がりを改めて感じさせられました
そして、それぞれ個性豊かな演奏者の演奏に対して、演奏が終わると同時に間髪入れず、その演奏者に最も必要で的確と思われる指示を出しておられる姿に深い感銘を受けました
その判断力、指導力の高さに憧れと尊敬の念を抱かずにはいられませんでした
一指導者として一歩でも近づきたいと大いに刺激をうけ、そして本当の音楽の豊かさに触れることができた素晴らしい時間でした
お声をかけてくださった先生、講座を設けてくださった先生に心から感謝です
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